関西あおぞら合同事務所|大東市住道の司法書士事務所なら関西あおぞらへ。

072-869-6106

お問い合わせ

サービス案内service

宅建業者の犯罪収益移転防止法における本人確認義務

「買主の本人確認はしているけど、売主は本人確認していません」「売りと買いで仲介が分かれた場合、相手方のお客さまの本人確認はしていない」という宅建業者は多いように思われます。平成20年に犯罪収益移転防止法が施行されて10年以上たちますが、犯罪収益移転防止法で課されている本人確認等はまだまだ浸透しているとはいえません。初歩的かつ部分的にはなりますが、本人確認(取引時確認)を中心に解説いたします。

2年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金も!

まずは脅しではないですが、犯罪収益移転防止法(以下「法」という)の義務違反についての罰則規定があります。行政庁から取引時確認義務違反などの是正命令を受け、その命令に従わなかったときには、2年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金またはこれを併科する(法25条、18条)などとなっています。
また、民事上の争いになった場合、司法書士の本人・意思確認義務違反が問われるのと同様に、宅建業者も損害賠償請求に巻き込まれることになります。

宅建業者の3つの義務

犯罪収益移転防止法は、宅建業者等の特定事業者に対し、犯罪による収益の移転(マネー・ローンダリング)を防止するための制度を定めています。特定事業者には①取引時確認、②確認記録・取引記録の作成・保存(7年間保存)、③疑わしい取引の届出の3つの義務を課しています。①の取引時確認で本人確認(本人特定事項の確認)を義務付けています。
なお、宅地建物の交換、交換の代理・媒介、宅地建物の貸借の代理・媒介については、宅建業法の適用はありますが、犯罪収益移転防止法による義務は課されません。また、宅地建物を自ら貸借することは、宅建業法も犯罪収益移転防止法も適用がありません。

取引時の確認事項

不動産取引においては、司法書士は下記表の①本人特定事項のみを確認すれば足りますが、宅建業者は①~④のすべて確認する義務があり、本人確認(取引時確認)は宅建業者のほうが確認事項が多いのです。ただし、司法書士は取引を安全に遂行するために重要な意思確認義務があります。

※代理人、法人の代表者、取引担当者等は①の本人特定事項(氏名、住居、生年月日)を確認します。

取引時の確認書類・確認方法

法は「対面取引」と「非対面取引」に大別して確認方法を定めています。宅地建物取引の場合、対面取引が前提とされていますので、対面取引に限定してご紹介します。

①提示のみ法
本人確認書類の提示を受ける方法。個人でこの方法を利用できるのは、本人確認書類(A群・顔写真付き)を利用する場合のみです。
②提示+追加的措置法
B群の顔写真なしの書類を利用する場合、本人確認書類の提示を受けるとともに、他の本人確認書類や公共料金の領収書等の提示を受ける等の追加的措置が必要となります。
③提示+送付法
個人が本人確認書類(C群)を利用する場合、本人確認書類の提示を受けるとともに、書類に記載されている住居宛に取引に関する文書を書留郵便等により転送不要郵便物として送付しなければなりません。

法人実質的支配者の確認
実質的支配者とは、法人の事業経営を実質的に支配することが可能な人のことです。株式会社や有限会社の場合には、議決権の25%超を直接または間接に保有する株主(個人)などです。中小企業では多くは社長が全株式を持っていることが多いので、社長=実質的支配者が多いです。
実質的支配者の確認およびその人の本人特定事項については、原則は申告を受ける方法による確認(口頭でも可)だけで構いません。

本人確認はどこまで?

買主で住宅ローンを申し込みをする人は本人確認していますが、その他の現金買主や売主については本人確認をしていない宅建業者が散見されます。当然、売主や買主の本人だけでなく、代理人を立てている場合は代理人も確認する義務があります。相続登記をする前の宅地建物について売買契約を締結する場合は、相続人全員を確認する必要があります。
冒頭の売主と買主で仲介が分かれた場合、売主側の仲介は買主も、買主側は売主も取引時確認義務があります。もっとも、複数の業者が関与する不動産売買においては、それらの者のうち代表する一者が取引時確認および確認記録の作成・保存を行えば足ります。ただし、どの宅建業者が誰の取引時確認を行ったのかを取引記録の記載事項に明記するなどして、自社の営業所で確認記録を保存している場合と同様に、必要に応じて直ちに確認記録を検索できる状態にしておく必要があります。

犯罪収益移転防止法の詳しい情報・ひな型等は下記へ

より詳しい情報・条文、改正、Q&A、確認記録・取引記録、顧客カード、個人・法人等別の確認事項・確認方法、疑わしい取引のチェックリストなどのひな型はHPで公開されています。一度ぜひダウンロードしていただき、安全な取引にお役立ていただければと思います。

page-top